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元小学校教諭のYH様、定年を機に放課後等デイサービス開業を決意
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東京都八王子市の厳しい物件要件に直面し、一度は他県開業も検討
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元介護施設を活用できる物件と出会い、契約に成功
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行政書士の支援で法人設立・融資・人材採用をクリア
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開所時に利用者2名からスタートし、事業を軌道に乗せる
ご相談の背景・経緯
YH様は20年以上にわたり小学校教諭、10年間特別支援学級担任として子どもたちに向き合い、養護学校の勤務や放課後等デイサービスにおいても児童発達支援管理責任者を務められてきました。長年のご経験を通じて、「障害のある子どもたちや保護者が安心して過ごせる居場所をつくりたい」という強い思いを抱かれるようになり、定年を機に放課後等デイサービスの開業を決意されました。
しかし、いざ開業を目指すとなると、東京都八王子市は物件要件が非常に厳しく、条件を満たす物件がなかなか見つからないという大きな壁に直面されました。一度は他県での開業も視野に入れつつ、粘り強く物件探しを続ける中で、元介護施設を活用できる好物件と出会い、ようやく契約に至ることができました。
YouTubeで当事務所代表の発信をご覧いただいたことをきっかけに、弊社の開業サポート(株式会社設立時に必要な定款認証代行含む)を契約いただきました。弊社が司法書士事務所を紹介させていただいたことによりスムーズに法人設立を終えられたものの、融資実行までの資金繰りには大きな不安を抱えられていました。そのため、備品はご自身でIKEAなどを回って買い揃えるなど、工夫を重ねてコストを抑えながら準備を進められました。
また、職員採用においても苦労がありました。当初から前職の同僚である保育士1名の採用は決まっていましたが、もう1名の採用に時間を要しました。それでもYH様のこれまでの人望や保護者に寄り添う姿勢から、最終的には元同僚や保護者の方々の協力を得て人材を確保することができました。スタッフの中には実際に放課後等デイサービスを利用するお子様の保護者もおり、事業所運営に対する深い理解と協力が得られるという、大きな強みにもつながりました。
専門家のポイント解説
放課後等デイサービスの開業支援においては、単に法人設立を行うだけではなく、「物件選び」「資金計画」「人材採用」「営業活動」といった複数の要素が密接に関わります。特に東京都内では、用途地域や建築基準、防火やバリアフリーの要件などが厳しく、物件探しの段階でつまずく方が非常に多いのが実情です。今回のYH様の事例でも、まさにこの課題に直面されました。
行政書士としての役割は、まず事業全体の見通しを一緒に描くことから始まります。YH様には、物件要件を満たすためのチェックリストを提示しながら候補物件を検討いただき、必要に応じて建築士や不動産業者とも連携を取りました。最終的に契約に至った物件は、元介護施設という特徴があり、バリアフリー設備やオストメイト対応トイレが整っていたため、内装工事の負担を最小限に抑えることができました。これは資金計画上、大きなメリットとなりました。
次に重要なのが資金繰りです。融資実行までに時間がかかることは珍しくなく、自己資金が潤沢でない場合は開業準備が止まってしまうこともあります。その点、YH様は前向きに工夫を凝らされ、備品の購入はIKEAなどで直接調達し、必要最小限のコストで開業準備を整えられました。私たちも、融資計画の見直しや支出の優先順位付けを一緒に行うことで、安心して開業に踏み出せるようサポートしました。
人材採用においても、放課後等デイサービスは「有資格者配置」の要件があるため、適切な人材の確保が不可欠です。YH様は、長年の教育現場でのご経験や人望を活かし、保育士や元同僚、さらには利用者の保護者まで巻き込み、協力体制を築かれました。特にスタッフに保護者の立場を持つ方がいることは、事業所の強みになり、利用を検討するご家族への説得力を高める要素となりました。
さらに、開業にあたっては「開所時に利用者がゼロ」というリスクを避けるため、営業活動の戦略を立てることも欠かせません。弊社では、開業前から具体的な契約者数の目標を設定し、チラシ配布や関係機関への挨拶回りを支援しました。結果として開所時に2名と契約することができ、そこから軌道に乗せるための数値的な目標を共有し続けることで、安心して事業を継続できる環境を整えました。
このように、放課後等デイサービスの開業は「書類手続き」だけでなく、「物件・資金・人材・営業」という多面的なサポートが不可欠です。行政書士としての専門知識に加え、実際の現場での課題を理解し、一緒に解決策を考えていくことが成功のポイントだといえます。YH様の事例は、まさにその好例といえるでしょう。
お客様の声
放課後等デイサービスを開業したいという気持ちは強くあったのですが、実際に動き出すと想像以上に課題が多く、不安でいっぱいでした。特に東京都八王子市は物件要件が厳しく、なかなか条件に合う場所が見つからず、途中で「本当に実現できるのだろうか」と心が折れそうになったこともありました。
そんな中で、行政書士法人放デイラボの先生方にサポートしていただいたおかげで、一つひとつの課題を一緒に整理して解決できたことは本当に大きかったです。株式会社設立にあたっての定款認証や放課後等デイサービスの開設時の指定申請手続きだけでなく、物件選びの段階から相談に乗っていただけたことが安心につながりました。また、資金繰りに悩んでいたときに「優先順位を整理して、まずは最低限の備品から」と具体的なアドバイスをいただけたことで、工夫しながら準備を進めることができました。
さらにありがたかったのは、営業活動についても数値目標を一緒に立て、具体的な方法を提案していただけたことです。開所時に利用者がゼロだったらどうしようと不安でしたが、実際には2名からスタートでき、今後の目標にも前向きに取り組めています。
もし自分一人で進めていたら、途中で断念していたかもしれません。専門家のサポートがあったからこそ、夢だった居場所づくりを現実にできたのだと思います。今後も事業を続けていく中で悩みが出てくると思いますが、これからも相談できる存在がいるということが、とても心強いです。
