—児童発達支援を始めようと思ったきっかけを教えてください。

小澤:
「岡さんは、明光義塾や自立学習REDを運営されてきた、いわば学習塾ひと筋の経営者でいらっしゃいます。そこからなぜ、児童発達支援だったのでしょうか。」
岡様:
「塾を立ち上げて15年ほど経った頃から、ずっと引っかかっていたことがあったんです。学習が苦手な子どもたちが塾に通ってくれる中で、『この子は勉強のやり方の問題ではなく、発達の凸凹が関係しているのではないか』と感じる場面が増えてきまして。専門家に相談したところ、勉強だけではなく、発達の特性にあわせた総合的な支援が必要だと言われて、すごく腑に落ちたんです。」
小澤:
「解決策を探される中で、放デイを運営されている知人の方にも話を聞かれたそうですね。」
岡様:
「はい。ただ、きっかけはもう一つありまして。学習塾というのは昼から深夜までの、いわば夜型の仕事なんです。ちょうどその頃、女性の責任者が出産と育児休暇のタイミングと重なって、復帰時に塾の勤務体系に戻ることが難しい状況になりました。
塾の中で勤怠を調整することもできたのですが、それよりも『女性が働きやすい職場を新しくつくろう』と。子どもたちの発達支援と、女性が働きやすい職場づくり。この二つが重なったのが、児童発達支援でした。」
—施設名「Nolla(ノーラ)」には、どんな想いが込められているのですか?

岡様:
「Nollaは、フィンランド語で『0(ゼロ)』という意味です。世の中では『1からスタートする』『1から始める』とよく言われますが、何かを創り出すためのスタートは、本当は『ゼロ』だと思うんです。何もない状態、白紙の画用紙を渡されたときにこそ、想像力が働く。そんな想像力を育める会社にしたいという想いを込めました。」
小澤:
「運営会社のZEROさんの理念が、そのまま施設名に受け継がれているんですね。」
岡様:
「そうですね。それと、フィンランドは福祉に強い国というイメージがあります。福祉先進国をお手本にしたいという気持ちもあって、フィンランド語の『ノーラ』と名付けました。」
—放デイラボに依頼を決めた理由は何でしたか?

小澤:
「最初に私どもを知っていただいたのは、ご紹介がきっかけでしたよね。」
岡様:
「はい。明光義塾のつながりで、放デイを運営されている知人から『放デイラボさんは行政書士で手続きを分かっていて、全部やってもらえるよ』と紹介してもらったのが最初です。実際にお会いして初回相談を申し込み、お見積りをいただいて、そのまま依頼しました。他の事務所やコンサルと比較することもなく、迷いはなかったですね。」
小澤:
「即決していただけたのは、ありがたい限りです。」
岡様:
「やはり一番強いのは紹介だと思うんです。実際にサービスを受けて満足した人からの紹介ですから。私は異業種からの参入で、知識も経験もゼロの状態でしたが、『放デイラボさんになら、すべてお任せできるかな』という気持ちになれました。知識は今後学んでいけばいい。それよりも『絶対にやらなければならない』という使命感の方が強かったですね。」
小澤:
「広島から東京の事務所に頼むことへの迷いはなかったですか。」
岡様:
「特になかったです。東京が遠いという感覚もありませんでしたし、近隣で固めるよりも、より知識のある方にお願いしたいと思っていました。実際にお会いしてみて、初心者の私にも分かりやすく丁寧に伝えてくださって、親身になって受け答えしてくれる。それが決め手でした。
小澤さんだけでなく、放デイラボの他のメンバーの方々も、詳しい内容を細かく教えてくださって、専門用語の難しい部分までしっかりサポートしていただけました。」
—開業準備では、放デイラボさんにどのようなサポートを受けましたか?

岡様:
「何しろ、すべてが初めての状態でしたから。児童発達支援を運営するための『レール』に乗せてもらったのが、放デイラボさんでした。いざ自分で走らせようとすると、今度は『ブレーキのかけ方』が分からない。そういうときに質問すると、必ず丁寧に回答してもらえました。自分でも質問が非常に多い自覚があるのですが(笑)、何を聞いても答えてくれましたね。」
小澤:
「指定申請の方法から、HUG(業務管理システム)の使い方まで、本当に何でもご質問いただきました。責任者の方も、児童発達支援を始めるにあたって通信で保育士資格を取得されました。皆さんの熱心さが印象的でした。」
岡様:
「スタッフについては、ありがたいことに人数が集まってくれたので、開業前はそこで困ることはありませんでした。開設当初はとにかくがむしゃらで、日々一生懸命でしたね。むしろ、いろいろあったのは開設後の方でした。」
小澤:
「Nollaさんは施設そのものも本当に素敵なんですよ。広くてキレイで、周囲は中国山地の入口の山々に囲まれていて。内装の雰囲気も含めて、初めて伺ったときの印象をよく覚えています。」
—開設後で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

岡様:
「放課後等デイサービスを加えて多機能型にしたときの施設変更ですね。森井さんが担当でした。」
森井:
「放デイラボに入社したばかりの頃にお任せいただいたお仕事で、よく覚えています。現在の児童発達支援に放デイを加える一体型の多機能化で、実際にはほぼ新規の指定申請と変わらないボリュームの申請でした。」
岡様:
「人員は問題なかったのですが、広島県からは児発と放デイの時間の棲み分けを行うよう、指示がありました。児発と放デイをどう両立させるか、森井さんと試行錯誤しながら、進めることができました。」
森井:
「広島県とは、事前協議の日程調整等、早めに問合せをしながら進めていきました。予定を決めて、メールでリマインドをお送りするという手順で、滞りなく進めることを心がけていました。」
小澤:
「段取りよく進めるのは、うちのスタッフの方が上手なんですよ(笑)。」
岡様:
「放デイラボさんは、本当に丁寧だと感じます。質問に対して『ここまで伝えてくれるんだ』という回答が多くて、うちのスタッフも助かっています。」
森井:
「日頃から小澤の回答を見ていますので、『お客様はこういう可能性も気にされているのでは』と推測して、追加の質問がいらないように先手で回答することを心がけています。そうするとお客様の側でも応用が効くようになります。また、運営指導などでの指摘につながらないよう、安全で効率的に運営するための案内、指摘につながるポイントなどのお知らせも行うようにしています。小澤の日頃の指導と回答などから日々学び実践しています。」
小澤:
「スタッフには一言一句、伝え方を教えています。その積み重ねで、チーム全体の理解が深まっていくと思っています。」
—運営面では、現在どのようなサポートを受けていますか?

岡様:
「申請関係は、すべてお任せしています。放デイラボさんにお願いすれば、漏れなく確実にスムーズに進むと分かっていますから。実は何度か自分でやってみたこともあるのですが、県から差し戻されてしまって。正直、時間の無駄だと感じました(笑)。餅は餅屋ですね。」
小澤:
「最近では『みなしの児発管』の件もありましたね。」
岡様:
「広島県からは、複数回のみなし児発管での運営は不可と言われました。『やむを得ない事情での例外的な制度を、何回もというのは運営上問題がある』という言い分なんですね。
こういう解釈や運用の話は、自分たちだけではとても対応できません。県との交渉が必要な人員配置まで含めて、相談できる存在がいるのは大きいです。」
小澤:
「申請や制度対応はこちらにお任せいただいて、岡さんには人材育成をはじめとした運営そのものに集中していただく。その分担がうまく回っているのかなと思います。」
—これから児童発達支援を始めたい方へ、メッセージをお願いします。

小澤:
「これから児童発達支援や放デイの開業を考えている方、特に異業種からの参入を考えている方が目の前にいたら、岡さんならどう声をかけますか。」
岡様:
「未経験でも、丁寧に指導してくれながら、運営の入口まで導いてくれる。放デイラボさんの『チーム力』は、ぜひ利用されることをおすすめします。
開設するまでも、開設した後も、話し合いやMTGを重視してくださるので、今後何かトラブルがあったとしても、よいパートナーとしてやっていけると確信しています。それに、今の話だけでなく『今後に向けてどうあるべきか』という未来の情報まで提供してもらえるのは、本当に心強いですよ。」
小澤:
「今後の展望と、放デイラボに期待することはありますか。」
岡様:
「よりよい療育を提供できる事業所を築いていきたい。そのためのサポートを、これからも引き続きお願いしたいと思っています。」
森井:
「定期面談のたびに、岡さんはじめ職員皆さんの熱心な様子を拝見しています。必要な研修や訓練などにも、しっかりと対応され、いただく質問からも、継続できる真面目な運営を目指されていると感じています。これからも、ご質問等お気軽にお寄せください。」
小澤:
「Nollaさんは職員さんの雰囲気がとてもよくて、定着率も高い。明るく賑やかで、職員同士のチーム力がどんどん上がってきているのを感じます。岡さんが最初に掲げていた『職員が働きやすい職場を作りたい』という想いが、まさに実現されているんですよね。
塾の女性講師の方たちのセカンドキャリアとしての児童発達支援という道筋も、素晴らしい取り組みだと思います。地方でこんなに素敵な施設と出会えて、一緒にお仕事ができる。この仕事をしていて良かったと感じる瞬間です。」
編集後記
岡様、貴重なお話をありがとうございました。
今回のインタビューで強く印象に残ったのは、「何かを創り出すスタートは1ではなくゼロ」というNollaの名前に込められた想いと、それを支える放デイラボの「チーム力」という言葉でした。
学習塾からの異業種参入で、制度の知識も経験もゼロからのスタート。それでも開所から4年、定員10名・スタッフ7名の体制で、多機能型への移行や度重なる制度対応を乗り越えてこられた背景には、指定申請からHUGの使い方まで「何を聞いても答えてくれる」放デイラボの伴走がありました。
小澤様の対応を組織全体で受け継ぎ、先手で答えるスタッフの姿勢は、まさにNollaの「職員のチーム力」と呼応しているように感じます。
「女性が働きやすい職場を作りたい」という当初の使命が、定着率の高い明るい職場としてかたちになっている──その事実こそが、この4年間の何よりの成果ではないでしょうか。よりよい療育を提供できる事業所を目指す岡様とNollaの皆様のさらなるご発展を、心より応援しております。
インタビュアー:榎本元(株式会社グットアップ)
